NSR250R 伝説の始まり

THE RACER ON THE STREET
ホンダ NSR250R:レーサーレプリカの頂点に君臨した伝説の軌跡を辿る。
伝説の始まり
1980年代、バイク業界は「レーサーレプリカ」ブームの渦中にありました。ホンダは世界GPを戦うレーシングマシン「RS250RW」の思想と技術を公道に解き放つという、純粋かつ過激な目的のもとNSR250Rを開発。それは、ただ速いだけではない、「勝つため」のマシンでした。
時代を駆け抜けたライバル達
ヤマハ TZR250
NSRの最大の好敵手。その存在がNSRの進化を加速させたと言われる、シャープなハンドリングが魅力のライバル。
スズキ RG250Γ
アルミフレームとフルカウルを市販車で初めて採用し、「レーサーレプリカ」というジャンルを確立した先駆者。
カワサキ KR250
タンデムツインという独自のエンジン形式を採用し、他とは一線を画す個性でファンを魅了した孤高のマシン。
デザインと文化的インパクト
レーサーそのもののDNA
NSR250Rのデザインは、機能美の結晶です。市販レーサー「RS250」と見分けがつかないほどのスタイリングは、ライダーに究極の高揚感を与えました。特に、スポンサーカラーであるロスマンズやHRCのカラーリングは若者の憧れの的となり、レース文化をストリートへと広める大きな原動力となりました。
その設計思想は後のCBRシリーズなど、ホンダのスポーツバイクDNAとして脈々と受け継がれています。
累計販売台数 (1987-1994)
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この驚異的な数字は、NSR250Rが単なるバイクではなく、一つの社会現象であったことを物語っています。
現代における価値
生産終了から数十年が経過した今、NSR250Rは「プレミアバイク」として新たな価値を確立しています。希少性、2ストロークならではの魅力、そしてノスタルジーが絡み合い、その価格は高騰を続けています。ここでは、主要モデルの現在の市場での評価を探ります。
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価格高騰の背景
価格上昇は、単なる人気だけが理由ではありません。①排ガス規制による2ストローク車の生産終了による絶対数の減少、②独特の加速フィールを持つエンジンの再評価、③純正部品の枯渇と絶版パーツ価格の高騰、④当時を懐かしむ世代の需要、これら4つの要因が複雑に絡み合い、現在の市場を形成しています。